明け方5時まで準備をしていて、一眠りしようとベッドにもぐりこんだ。
目が覚めたら6:30。くろべぇと公園を散歩しようと思っていたのに、 結局慌しく家を出ることになって、くろべぇときちんとお別れが出来ませんでした。 何しろ3ヶ月以上離れたことがないので、くろべぇと長期間会えなくなることは、 本当に辛い。そっけなくご飯を食べようとするくろべぇを見つめているだけで、 涙が出てくる。くろべぇがあの通りそっけなくて良かったのかもしれません。 関心の薄いくろべぇを無理やり抱きしめました。帰国するまで、絶対元気でいてね。 実はこの後、大問題が起きるんです。 そんなことも予想せず、私と見送りに成田まで来てくれる母と妹3人は 大宮駅発の成田空港直行バスに乗り込みました。 海外に行くときは荷物が大きいので今まで何度も利用したバス。 「今日は格別に渋滞してるなぁ」と初めはのんびりした気持ちで構えていました。 余裕を持って1本前の便を選んだから。でも、ここで運転手に聞きに行くべきでした。 よほど遅れそうな場合は、当然車内アナウンスなどで乗客に知らせますよねぇ。 これがまずかった。10:30に成田到着予定のバスは、11:30を過ぎても、 まだ川口付近。航空券をネットで予約していた私は、 成田のデスクで航空券を受け取り、マレーシア航空でチェックインするんですが、 その時間が11:30なんです。 ここまでの経過で運転手からのアナウンスは何もない。 他の乗客も落ち着かないらしく前方の様子を探るべく、頭を動かしているのが分かる。 とにかく遅れることをデスクに連絡すると、 「マレーシア航空では最終12:30までに間に合わないと締め切るそうです。 12:30までは待っていただくよう伝えました」と言われたので、 運転手に確認するべく、ここでやっと前に聞きにいきました。 そこで思いがけない(いや、このあたりから既に嫌な予感はしていた。) 返事が返ってきました。 「着くのは13:30くらいじゃないですかねぇ」とあっさり何の臆面もなく答えました。 『は?13:30・・・・。飛行機の出発する時間だよ!おい!』と言いたかったけど、 実際呆然としてしまった。すると、すぐ後ろの女性がいよいよ噴火したようで、 前方の乗客は一致団結して、 運転手に対して「異常なまでの遅延が例え予測できなかったとしても、 せめて到着時刻の時点でまだ3分の1も達していないことを 何故一言でもアナウンスしなかったのか。」と憤りを露にしていた。 そりゃそうだ。だって、このバスの乗客のほとんどが予定の飛行機に 乗れなくなったのだもの。運転手を攻めていても仕方ないの。しかし、時既に遅し。 『私、イタリアに行けなくなる・・・?』予想もしていなかったこと。 予約の便に乗れなければ、どうなる? 今日、明日や明後日の便のチケットを購入することは不可能。 万一、購入できたとしても、かなりの高額のはず。それでも買えれば幸運です。 1週間後のチケットが買えたところで、学校の入学に間に合わない。 クアラルンプール発ローマ行きの便にはせめて乗らなければならない 何が何でもクアラルンプールに行かなければ。 すると、一致団結していた前方の乗客の一人の綺麗な女性が、 航空会社に携帯で交渉を続けた結果、振り替えが可能になったとのこと。 アドバイスを受けて、私も妹から携帯を借りて、デスクの方に再度連絡。 振り替えは不可能、そしてやはり12:30に間に合わなければ絶望的らしい。 こうなったら、運転手に遅延証明書を書かせて、マレーシア航空のデスクで直接交渉するしかない。すると、運転手から最初で最後のアナウンスが入りました。 「あと40分で成田空港に到着します。」これだけ。もう一度、デスクに連絡を入れた。「13時到着ではちょっと・・・」。関係のない部署の方だったけれど、 何度も親切に答えてくれ、マレーシア航空にまで連絡してくれました。 それだけでも十分感謝していた。 仕方ない、直接交渉だ。その時、妹の携帯が鳴った。デスクの方からでした。 「マレーシア航空にもう一度お願いしてみました。13時まで待ってくれるそうです。 ただし、もうそれ以上は待てないそうです。よろしくお願いします」 私はもうほとんど鳴き声で「ありがとうございます。」と何度も頭を下げました。 乗れるかもしれない。胃が縮む思いで時計を睨み、 バスは成田空港第2ターミナルへ到着。この時、12:55。 妹と母も荷物を運ぶのを手伝ってくれ、3人で全力疾走。デスクで航空券を受け取り、 マレーシア航空のカウンターに滑り込む。 間に合った!間に合った!間に合った!イタリアに行ける! あとは搭乗口まで一気に走った。ここまで一緒に来てくれた母と妹に振り返りながら手を振った。もう、あんなスリルは懲り懲りだけれど、ゆっくり家族とお別れしていたら、寂しくなって辛くなってしまったに違いない。ママ、真穂、あんなに走らせて本当にごめん。 初めは一人で空港に行こうと思っていたけれど、2人が来てくれて本当に助かったよ。 ありがとう。ありがとう。 まさか、イタリア留学の第一日が、こんなアクシデントで始まるなんて 予想していませんでした。。これから、1年3ヶ月、・・・・心配です。
by dolcissimokurobe
| 2007-09-29 21:35
| La vita in Italia
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