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ホタテ貝・黄矢印3

先に歩いた巡礼者がこうして石を積んで
道しるべを残してくれることも。
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by dolcissimokurobe | 2008-09-12 22:24 | La fotografia

ホタテ貝・黄矢印2

カフェにも出現するホタテ
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フランスからの道、アラゴンの道が最終的に一本になる
プエンテ・ラ・レイナの橋
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by dolcissimokurobe | 2008-09-12 22:12 | La fotografia

巡礼者を導くホタテ貝・黄矢印

ホタテ貝と矢印の話が出たところで
どんな道標があるか、いくつかご紹介しましょう。
巡礼中は、つねにこの道標を探し求めているので
巡礼後はすっかりホタテの大ファンに。
ペルージャにいてもホタテに敏感に反応します。

あやちゃんとサンティアゴの街で、ホタテ貝グッズを
買いあさりました。
将来の自分達の子供も「ホタテ」と命名決定。(ウソです)
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ホタテが下にいるときも。
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by dolcissimokurobe | 2008-09-12 21:57 | La fotografia

白黒写真館1

「ホタテ貝」もしくは「黄色い矢印→」。

大昔、大海を旅した船乗りたちが見つめていたポラリス(北極星)のように
巡礼者を導く大切な大切な道標です。

まだ夜空に星が瞬く夜も明けきらない時間に宿を出発すると
このホタテがなかなか見つけられなくて
巡礼仲間と懐中電灯で照らしながら探しました。


― 時には、道しるべにそむいてみたっていいんです。
                  寄り道こそ、収穫多き道だから ―
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by dolcissimokurobe | 2008-09-12 21:28 | La fotografia

写真でめぐる巡礼日記

「あやちゃんへ(巡礼日記)」編では、巡礼中に感じた
特に大切な気持ちを残しておきたくて、
巡礼の同士、あやちゃんへの手紙形式で書きました。

これから、写真を交えながら、ちょこちょこ巡礼小話を入れていきましょう。
思いついたとおりに、順不同で、時には脈絡なく、適当に進めていきます。

とはいえ、「あやちゃんへ」手紙編でも書いた通り
巡礼の中日にして、愛しのカメラちゃんが壊れました。
人間とは失ってから、その人、物の大切さを痛感する生き物。
私も、一晩泣きました。
壊してしまってからは、あやちゃんのカメラを借りて、写真を撮らせてもらってました。

では、いつものように白黒写真館から。
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by dolcissimokurobe | 2008-09-12 21:10 | Il viaggio

あやちゃんへ (巡礼日記)

スペイン巡礼、お疲れ様でした。
巡礼中、友人達に葉書を書く時間も見つけられず、第一肝心の郵便局が一日のうち
1時間しか営業していなかった巡礼路上の小さな村からはとても葉書など出せず
こうして旅の最終日に、バルセロナの一角にあるBarで、せっせと葉書を
書いているところです。
今頃、あやちゃんは、ウィーンの図書館で必死に論文を仕上げてる最中でしょうか。

お互い長年の念願だった巡礼を目標通り500km歩き切り、ユーラシア大陸の最西端
ポルトガルのロカ岬で大西洋に向かって、次なる目標を一緒に宣誓して
私たちの心は、大きな達成感と、二人で夢を叶えた満足感、そして、その先に繋がる
次の夢への向かう高揚感でふるえましたね。
だから、マドリードの宿で寝ぼけ眼のままお別れしてから数日間、一人でスペインの旅を
続けていましたが、サラゴサの壮大なピラール聖母教会も、バルセロナを彩る、
この世の美を賛美するあらゆる線と形、全ての有機的造形美の粋を集約したガウディの
サグラダファミリアを仰ぎ見ても、二人で到達したサンティアゴ・デ・コンポステーラの
カテドラルを一緒に見上げたときほどの感動はありませんでした。

あやちゃんと、互いの留学とスペイン巡礼の夢を実現させたこと。
どちらの夢も特別大きいものではないのかもしれません。二人が偶然出会った
4年前のクリスマス、ウィーンのCaféで互いに打ち明けたその夢は、
その時はまだ現実味がありませんでした。それでもその後、実現のため払った犠牲も
困難も互いに理解しながら、どちらも諦めることなく、一歩ずつ一歩ずつ近づいていった、
二人にとっては大切な大切な目標でした。

大航海時代、数々の冒険者が旅立っていったロカ岬の石碑にこう書かれていましたね。
「Aqui…onde a terra se acaba e o mar comeca」
ここに、陸尽きて、海はじまる

4年前の一人旅が、今回の留学とスペイン巡礼に繋がり、またこの二つが次の夢に
繋がる、自分の中で大切に温めていた夢が実現しても終わりははく、また次の夢の
実現の喜びへと繋がっていく。目標や夢を持って努力を続けることは、
歳月を重ねる度に、幸せがさらに積み重なっていくことだと思いました。

そして、今回の夢の実現には、あやちゃんの存在は、不可欠なものでした。
二人が出会ったことから夢が始まって、ともに努力する存在がいてくれたから
私もその夢への道を歩き続けることが出来たんです。
このスペイン巡礼も、あやちゃんがいたから、夢見て、そして歩くことが出来ました。

多くの巡礼者が、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路を「人生の道」に
例えています。何処までも何処までも西に向かってまっすぐ続く巡礼路。
巡礼を実際に始める前は「ただ荷物をしょって歩くだけ」と高をくくっていましたが、
10kg近いリュックを背負って、足の痛みに耐えながら歩く、
その道のりは想像以上に過酷なものでした。
巡礼者をサンティアゴに導くホタテ貝の道標に従って、大地を照りつける太陽を背中に
受け、休む木陰もない灼熱の道を進み、星空を見上げて歩いていたら突然バケツを
ひっくり返したような暴風雨に見舞われて、朝食を求めてまだ夜が明けきらない村を
彷徨って踵に牛の返り糞をもらい、寒さで頭から寝袋を巻きつけて懐中電灯で進んだ
山道、足の痛みの峠と同時に迎えた巡礼の難所と言われる2つの峠越え、
疲労と痛みで倒れ込んだ巡礼宿。
小さな間違いが大きな問題(痛み)となり、「心を無にして自分探し」なんて余裕は
つめの先ほどもなく、ただ痛みで頭の中が真っ白になる、痛みを癒す間もなく、
足をひきずってでも、とにかく一歩踏み出して前に進まなければならない巡礼路。
その日その日を歩ききることが、その日その日を生きることのようでした。

「不便」はすぐに「便利」に塗り替えられ、望むものはすぐに手に入り、望むところには
容易に到達できる現代の生活に慣れきっていた私は、「備えあれば憂いなし」と必要
以上のものを背負い込んだ結果、自分の足を痛め、巡礼をより辛いものにしました。
巡礼の日々の中で、一体幾つのものを置き忘れ、捨てたことでしょうか。
初めて経験する、身体も心もシンプルにならざるを得ない生活。
サンティアゴという目標一点だけを見つめて、とにかく毎日少しずつ進むだけ。

その道の上で、巡礼仲間に出会って、互いに声を掛け合い、お喋りに花が咲いて
しばし痛みを忘れたり、羊飼いとすれ違い、朝からお酒を飲んでいるおじさん達や
軒下でお喋りしているおばさん達、巡礼者のまねをして杖をついて歩く子供達に
「巡礼頑張って」と笑顔をもらう。巡礼者同士、足の治療方法を教え合い、
私より年配の人が痛む足をマッサージしてくれることもありました。
無限に続くかのようだった巡礼路の先に、村が見えた時は互いに抱き合って喜び、
やっとの思いでたどり着いた巡礼宿では宿主が冷たい水を用意してくれ、
シスター達が「よく歩いたね」と私の頬を撫でてくれる。
人の優しさも、食事も、水も、巡礼宿の残っていたベッドも、全てが本当に有難く、
今までの生活では、当たり前と思っていたことが、巡礼路の上では、痛みも疲れも
何処かへ行ってしまうほどの大きな喜びとなりました。
不便で、痛みに耐える、シンプルな生活の中での、感謝の心と豊かな喜び。

だから、私だけでなく、あやちゃんからも、他の巡礼者からも
「ずっと待ち望んだサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着した時は、
本当に嬉しかったけれど、ゴールした時に、一番に心に浮かんだのは、
ここまで辿り着くために歩き続けた巡礼路の日々。毎日、いろんな人に出会って、
痛みと疲れで泣くこともあった、あの日々の方がずっとずっと大切。」と同じ言葉が
出てくるのだと思います。
目標が在るから、辛くても前に進むことが出来て、必要なだけの運命
(果たすべきこと、または大切にすべきもの)を背負って、目標に到達した瞬間、
今まで歩いてきた道こそが、自分が探し続けた幸福だったと知る、
他の人が例えるように、巡礼路は人生の縮図、のような気がします。

この人生の縮図のような巡礼の旅を、運命のように出会った、夢実現の同士である、
あやちゃんと歩けて本当に幸せでした。
足が痛くても、口に出さず、じっと耐えて、綺麗な姿勢で前を歩いていたあやちゃん。
目標に向かうその目は真直ぐで、毎夜、あやちゃんが本を片手に翌日の行程を
計画して、翌朝、私はそれを死刑宣告のように聞いてましたね。
ハイカットのトレッキングシューズで足首を痛めたあなたをメセタの灼熱の大地で
待っていて、ビーチサンダルに靴下姿で、決意ある眼差しとともにサムライのごとく
地平線の先に現れた時のこと、ハイカット部分を迷いなく鋏で切り落とした時のこと、
泣き言を言わないあなたのその精神力の強さと潔さに、
憧れのような感情すら抱きました。

平坦な道ですら痛みで足が上がらなかった日、イラゴ峠の7kmに及ぶ崖のような
急な下り道を決死の覚悟で下った後、あやちゃんが「よくやった、よくやった」と
頭を撫でてくれたとき、私は涙が止まりませんでした。
あやちゃんが私の調子を気遣って「明日は23㎞で」と言ってくれたけれど、
本当はもっと多くの距離を早く歩けるあなたを足止めしてるのが分かって、
「いや、30km行こう」と言ってしまった私は、翌日やっぱり痛くて痛くて歩けなくて、
結局もう一度、あなたに「23㎞で、今日は十分だよ」と言わせてしまった自分が
本当に情けなくて、情けなくて、あの時も泣きました。
自分らしい写真を撮る楽しさを教えてくれた友達のようなカメラが壊れてしまった時
も泣いて、「足が痛い」、「おなかがすいた」、「ファンタが飲みたい」と子供のような
私に、本当によく付き合ってくれましたね。

ゴールを翌日に控え、急遽予定変更して行程距離を大幅に伸ばしたため、
痛めていた部分がさらに痛み、足が一歩も前に進まなくてしゃがみこんでしまった私達。
「もう少しだから頑張ろう」と、また腰を上げて歩き始めて、日も落ちかけた時、
互いにいろんな思いと痛みを抱えて約500km歩いた先に見えた、Monte do Gozo
(「歓喜の丘」ここで初めてカテドラルが見えます)へ続く坂道。
一歩上るごとに二人の胸の中で喜びが膨んでいくのを感じました。

翌朝、夜が明ける前に宿を出発して、意気揚々と歩いた最後の5km。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの街に入り、カテドラルがある旧市街の中心に
近づいていくにつれ、まるで映画のように、さっきまで雨を降らせていた雨雲が切れて、
雲の切れ間からサンティアゴの街に光が差し込む。
街の人にカテドラルの場所を聞いて、路地を曲がると建物の上に頭を出している
カテドラルの双塔。もう足の痛みなんて完全に忘れて、広場に向かって足が
勝手に走り出してしまう。カテドラルの真正面まで、二人で走り、
大声で万歳三唱しました。私達の声が広場中に響いて、向こうから
両手を振っているのは、一緒に歩いていた巡礼仲間。
私達は抱き合って、互いのゴールを喜び合いました。巡礼事務所で証明書を発行して
もらい、広場周辺を闊歩してると、次々に巡礼仲間が到着してきて、その度に
みんなで喜びの抱擁。あの時の気持ちは、きっと二人とも忘れないでしょうね。
まるで卒業式のような巡礼者のためのミサに出席した後の、巡礼仲間と打ち上げの
食事会では、念願のゴール達成の喜びも手伝って、楽しくて愉快でみんな本当に
おなかを抱えて、たくさんたくさん笑いましたね。

一生の宝物になる最高の思い出が詰まった3週間。
歩いてる時は、「もう2度と歩きたくない」と思っていたけれど、ゴールした途端、
二人の口から出てくるのは、「また歩きたい!!」という信じられない言葉。
歩いた人にしか分からない、あの痛み、あの喜び。
こんな最高の思い出を、一人ではなく、大好きな友人と分かち合える幸福。

あやちゃん、あなたと知り合えたから知ることが出来た、
スペイン巡礼の道、留学の夢、一緒に思いついて、一緒に叶えた夢。
夢をともに語れるあなたのような友人がいて、私は本当に幸せです。
これからも、お互い夢実現の同士として、ずっとずっと歩いていこうね。

本当にありがとう。そして、お疲れ様。

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仲良しの巡礼仲間
(同じ日にゴール出来なかった巡礼仲間や途中で帰国した仲間が写ってないのが残念!)

ミジョン(韓国)、イスマエル(スペイン)、イスマエルの友達3人(スペイン)
あやちゃん、ミヒャエラ(オーストリア)、ローサ(スペイン)、
けいこさん(日本)、クリスティーネ(オーストリア)、
私と肌身離さず一緒にいた寝袋ちゃん

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私達のアイドル・イスマエルと、巡礼達成の証明書コンポステラーノを持って。
イスマエルのユーモアは、最高でした!!
巡礼中、私達にたくさんの笑顔をくれました。
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by dolcissimokurobe | 2008-09-10 21:54 | Il viaggio

巡礼行程

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7月27日 Pamplona→Puente la Reina 24.9km ぺルドン峠
7月29日 Burgos→Hontanas 32.4km
7月30日 Hontanas→Boadilla del camino 29.9km
7月31日 Boadilla→Carrion de los condes 26.0km
8月 1日 Carrion de los condes→Calzadilla della Cueza 18.0km
8月 2日 Calzadilla della Cueza→Sahagun       23.0km
8月 3日 Sahagun→Reliegos             32.2km
8月 4日 Reliegos→Leon      26.0km
8月 5日 Leon→SanMartin 25.5km
8月 6日 SanMartin→Astorga 25.0km
8月 7日 Astorga→Foncebadon 26.0km イラゴ峠
8月 8日 Foncebadon→Ponferrada 27.0km イラゴ峠
8月 9日 Ponferrada→Villafranca del Vierzo 23.0km
8月10日 Villafranca del Vierzo→O Cebreiro 30.8km セブレイロ峠
8月11日 O Cebreiro→Samos  32.5km セブレイロ峠 
8月12日 Samos→Portomarin 35.0km
8月13日 Portomarin→Palas do Rei 25.0km
8月14日 Palas do Rei→Ribadisco de Baixo 27.0km
8月15日 Ribadisco de Baixo→Monte do Gozo     37.2km
8月16日 Monte do Gozo→Santiago de Compostela   4.7km
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by dolcissimokurobe | 2008-09-10 21:38 | Il viaggio

スペイン サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼

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まだ日本でイタリア留学の準備をしていたころから、「巡礼」「巡礼」と
この単語を口にしていた私。去年、銀座の小さい映画館で上映された
「サン・ジャックの道」というマイナーな映画を一人で観にいったこともあった。
ここペルージャでも、友人達と夏の予定の話をしている時に
「夏は、スペインで巡礼してくる」というと、決まって友人達は
「巡礼?」と目を丸くしたり、イタリア人には「Pazzesca! 頭おかしいの?」と
笑われたり、アジアの友人などは、そもそも「Pellegrinaggio」という
単語すら馴染みがないようだった。仕方ないから、漢字で書いてみせたり、
イタリア語で説明して何とか分かってもらったけれど
残念ながら、本当に興味を持ってもらえたかは、かなり微妙な手ごたえだった。

でも、このサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路は、中世の頃から、
多くの敬虔なキリスト教巡礼者が歩いてきた由緒正しき道。
キリストの十二使徒の一人聖ヤコブの墓が見つかったとされ、サンティアゴ・デ・
コンポステーラは、ローマ、エルサレムと並んで、キリスト教徒にとっての
重要な三大巡礼地なのだ。近年では、サンティアゴ・デ・コンポステーラと
そこに続く巡礼路が、ユネスコ世界遺産に登録されて、世界でもさらに
その名が知れ渡るようになった。現在では、世界各国から多くの巡礼者が
巡礼路を歩くため、スペインに訪れている。

では、何故、スペイン巡礼に興味を持ったかと言うと、遡れば4年前。
仕事を辞めて、恋も失って、ヨーロッパを5ヶ月かけて、ふらふら一人旅
していた私は、長旅でそろそろ大都市や所謂観光地にちょっと疲れを
感じ始めていた。ふらりと立ち寄ったフランスの本屋さんで、手に取った本に
載っていた数枚の写真が、私の好奇心をかきたてて、そのまま眺めいって
しまったのだ。その写真とは、フランスの静かな山間にひっそり息づく小さな村。
簡素ながら温かみがにじみ出るようなロマネスクの教会を拠り所に、村の人々が
祈りを捧げながら静かに暮らしている。
政治、権力の要素を帯びたカトリックの中心地から遠く離れ、純粋な信仰心で
人を集める教会をいつか訪ねてみたいと、その時思った。
日本に帰国して、そうした村を調べてると、一つの共通点があって、
全て、サンティアゴ・デ・コンポステーラへと続く巡礼路上に位置
しているということだった。

フランスからの起点は4つ。パリから始まるサン・ジャックの道、
トゥールーズの道、ヴェズレーの道、ル・ピュイの道。これらの4つの道は、
スペインとの国境近くの町、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーで一つになり、
さらにスペインに入ってから、もう一つのアラゴンの道と、最終的にプエンテ・
ラ・レイナで合流し、サンティアゴまで一本の巡礼路となる。
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから始めるのが、おそらく最もポピュラーで
合計距離は800km。ピレネー山脈越えがスタートとなる。とは言っても巡礼路は、
どこから始めてもいいし、仕事でなかなか休みが取れない人は、この道のりを
分割して、数年かけて達成している。
私達は、まずパンプローナから、合流地点のプエンテ・ラ・レイナまで歩き、
そこからブルゴスまでバスで移動。ブルゴスからサンティアゴまで歩いた。
こうすると、合計500km以上で、休みが取れた3週間で歩き切れる距離になる。

日本でイタリア留学を夢見ながら、同時にスペイン巡礼にも憧れ始めた私。
でも、イタリア留学だって行けるか分からないのに、スペイン巡礼なんて
夢のまた夢だと思っていた。他に行きたいと言ってくれる人もいないから
いつか遠い未来、一人で歩いてもいいとぼんやり空想するくらいだった。

それが、2年前の夏、東京のメキシコ料理レストランで、大阪から帰省していた
あやちゃんと夕食を食べていたとき。
「ねぇ、静香ちゃん。スペイン巡礼って興味ある?」
と、いきなり聞かれて驚いた。
興味があるも何も、ずっと歩きたかった巡礼路。
即返事でOKして、その後、二人の遠い未来のスペイン巡礼姿を想像しては
夜更けまで会話が盛り上がったことは想像に容易い。

こんな訳で始まった私達のスペイン巡礼の夢は、2008年の夏に敢行された。


「ねぇ、ねぇ。あやちゃん。
中世の時代、ここらへんで狼に食いちぎられた巡礼者がいたんだって。」
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by dolcissimokurobe | 2008-09-10 21:29 | Il viaggio

31歳の誕生日

スペインから帰国してから1週間。
友達に会ったり、またまた旅行したりして、溜まったメールの返信も追いつかず
もちろんブログ更新も滞ってる毎日。

そうそう、私、31歳になりました。
いよいよ本格的に「ミ・ソ・ジ」道に入ったわけです。
 31歳の誕生日、スペインに行く前から
この日は一人で過ごそうと決めてました。
友人達と一緒に過ごしたいなとも、ちょっと思ったのですが
「みんなに祝ってもらう」というよりは、むしろ「みんなのことを思い出す」
一日にしたかったのです。


誕生日を過ごすべく訪れた場所は、6年間ずっと憧れ続けた
北部イタリア・リグリア州にあるCinqueTerre※とPortofino。

6年前、本で見た写真で魅了されてからずっと
4年前の一人旅でも、今回の留学でも、行けそうでなかなか行けなかった場所。
まるで、自分の誕生日のためにとっておいたみたい。

今回は特別なプランニングはなく、
Genovaから足を伸ばして、1日で適当にまわろうと思い
その場、その場で、船に乗ったり、鉄道を使ったり、バスを使ったりして
Liguria沿岸の海と空を楽しんでた。

Portovenereの港から乗った船から、何とはなしに降りたVernazza村。
もう太陽は水平線の近くまで降りてきていて、水面が金貨のようにキラキラ輝き、
イタリアの子供達が高らかな笑い声を上げながら、次々に海に飛び込んでいくと
金の絨毯の水面に白い雪のようなしぶきが上がる。
 こんがり日に焼けた肌をすりあわせる恋人達や、子供をたしなめるお母さん、
いつまでもお喋りがおわらないおじさん達の間を抜けて、
 CinqueTerreを繋ぐ散歩道を探すべく、土産物屋さんが並ぶ道を歩いていたとき
目に入った一枚のポストカード。
 私が6年前にみた写真と全く同じ風景。
 Vernazzaだったんだ。
 その景色をもう一度確認するために港に戻ろうとした足の踵を返して
崖の高いところをつなぐ小道に急ぐことにした。
 きっと、あの写真と同じ風景が待ってるはず。
狭くて、ゴロゴロ石が転がる、崖のような小道を駆け上って
ふうふう息が切れてきて、身体も火照ってくるのと同時に、心も高揚する。
額に汗が流れて、もう大分登ってきたところで、
さっきまで木々で隠れていた視界が一気にひらけた。

 濃紺の静かな海に抱かれた小さな小さな漁村。
緑深いのオリーヴ畑の斜面の下に、
パステルカラーのカラフルな可愛い家々が肩を寄せ合ってるように立ち並び
夕暮れの黄金色の陽光をあびて、優しいピンクのヴェールを掛けられたVernazza村。

ずっと憧れ続けた景色が、いまこうして目の前にあって
6年間憧れ続けた時間が、夕暮れの空気の中に溶けていくようだった。
 いろんなことがあった6年間だったけれど、今Vernazzaに向かう私は
とっても幸せだと、6年という間に出会った人や、去っていった人、起こった出来事
全てを愛おしいと、そう思えた瞬間。
この気持ちが、私が、私に贈る誕生日プレゼント。こんな一日を過ごしたかった。

後ろ髪引かれる思いで、また小道に戻って
とても散歩道とは言えないくらい急な上り下りのあるSentiero小道を
Monterossoに向かって進んだ。
スペイン巡礼で痛めた右膝がまた痛み出して、全身から汗が噴出してきたけれど
それでも気持ちよかった。
ジーンズを脱いで、キャミソールワンピース一枚になって
スペイン巡礼の時の様に、ただひたすら上って下って歩く。
Monterossoに着いたころには、太陽はすっかり海の下に沈み
名残のような橙の光がぼんやり水平線を縁取っていた。

Barで、グラス一杯の白ワインを注文して、砂浜まで持っていく。
サンダルのまま、白ワインみたいに透き通るくらい綺麗な波に足を浸して
一人で乾杯。(ちょっとここらへん酔ってるね。笑)

いい誕生日。一人だけど、とっても満足な誕生日。
今までもそうだったように、これからもきっとずっと私は幸せと感じるんだと思う。
みんながいてくれるから。

31歳の一年も、どうぞよろしくお願いします。


※CinqueTerreは、Liguriaにある小さな5つの漁村で
可愛らしい小さな入り江とその上にひしめくように並んで建つカラフルな家々が
愛らしさと情緒を漂わせるイタリアの小さい港町らしい景観が楽しめます。
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by dolcissimokurobe | 2008-09-01 22:01 | La vita in Italia