2009年 04月 03日 ( 1 )

しあわせカフェ。

実は、気になっていた。

私がイタリアから帰ってきたらオープンしていた、
駅前通りの角にある小さなお店。

つつましやかに、5歩もあれば通り過ぎてしまうほどちょこんと小さくて、
優しい空色にぬられたそのお店は、なんとカフェだった。

学校帰りにちょっと髪を切って、そのカフェの前で足が止まった。

ドアを開けると、ふわりと甘くて香ばしい香りに包まれる。

紺のカットソーと白のソムリエエプロンに身を包み、
表情を飾るのは耳にしているシンプルなピアスだけ。
カフェの空色みたいにナチュラルで柔らかい笑顔で迎えてくれた。

アンティークのランプシェード。
愛情こめて使ってもらった証のような傷がところどころに入った、
こげ茶色のテーブルと4つだけの椅子。
金平糖のような砂糖でお化粧されたレモンケーキ。
クリーム色の棚には、遥か遠い国から海を渡ってきた手紙が入っていたような
小瓶がならび、その中に紅茶が詰められている。

そのカフェがつくり出す空気が、
幸せ色に焼きあがったクッキーとケーキが、
紅茶の湯気みたいに癒してくれる、そこに流れている時間が、
全てが手作りで、小さい空間の中のすぐ傍にあって、ほっとする。

このカフェの中では、窓の外に見える世界と
流れる時間の種類が違うみたいだ。

ベリーの紅茶と苺のロールケーキを注文した。

小さな空色のカフェで
小さなテーブルとカウンターを隔てて
まるで姉妹のように、初めて会ったとは思えないほど
何時間もおしゃべりしてしまった。

彼女が行ったことのあるイタリアの唯一の街が、ペルージャだった。
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by dolcissimokurobe | 2009-04-03 22:32 | Vita