帰国の航空券取りました!

新学期も始まり、大学に復帰。
もう試験は受けないと決めてから授業が楽しい。単位はもう関係ないから
人生で一度も勉強したことのない分野、経済コースの授業にも顔を出したりしている。
中世美術の方が得意だったのだけど、より思想的で哲学的な現代美術の授業が面白い。
「もうちょっと会話が上手くなったらね」と先延ばしにして断っていた友人との約束も、
「そんなこと言ってたら、あっという間に帰国の日が来ちゃう」と思い直して、この頃は
お出かけの誘いを全部受けている。夜遅くまで騒いだり朝帰りしたら、大家さん家族に
迷惑を掛けると敬遠していたけれど、この頃は、友人達とのお喋り耐久レースに
果敢に参戦もしてる。美味しいものをつまみながら一人でブラブラ散歩するのも悪くない。
ペルージャの暖色の街並みも、噴水のある広場を包む陽だまりも、全てが愛しい。

ディプロマを取るためにイタリアに来た。デイプロマが取れなかったら、
父に合わせる顔がないから、よっぽど切腹でもしようかと(冗談だよ)
思っていたのが去年の秋。
「そんなに肩肘張ってたら疲れちゃうよ」と友人にも言われてたっけ。
数年前に流した涙から何とか立ち直ろうと強がってここまで歩いて来たら、
気がつけば何枚もの鎧を着けていた。そんな心の鎧も、どこに置き忘れてきたのか
今では、すっかり心が自由で軽い。
自分はこんなにも自由で幸せだったのかとイタリアが教えてくれた。
知らなかったことを知ることが楽しい。やったことのないことをやるのが楽しい。
確信と自信のない道でも、進んでみればいいじゃない。背伸びしなくたって、
強がらなくたって、自分が進むべき道だと思ったら、一歩踏み出してみればいいじゃない。
それで、道が止まったり、間違いに気づいたら、また戻って別の道を歩いたって
いいんだから。間違いのおかげで、次の道はもっとうまく歩けるから。
誰もが分かってるような、こんな簡単なことが、日本ではどうしても分からなかった。
今までずっと、確信のない道を進むことが怖かった。
何か不具合を起こして誰かに迷惑を掛かるかもしれないと思うと、足がすくんだ。
でも、確信と自信がないからと言って、大切なことから目を背けていたら
自分が一番求めるものには、永久に触れることが出来ないと、
イタリアで出会った人達が教えてくれた。
あんなに目指してたディプロマは取れなかったけれど、代わりに、イタリアが
前に進むためのモーターを私の背中に付けてくれたようだ。

帰国まで3ヶ月切って、イタリアでの留学生活の全てが終わりに向かっていると
思っていた。8年前に初めて出会ってから、いつも大切なことを教えてくれてた
大好きなイタリアから離れると思うと、もう今から寂しかった。
そんな時、何だか私の心がお見通しみたいに、先に帰国した友人からの一通のメールで
寂しかった気持ちは一気に払拭された。
「(私からのメールに)もう3ヶ月しかないと書いてあったけど、
3ヶ月は私にとっては始まりの月でした。わくわくで。」
そう、彼女は3ヶ月の滞在で大切なことを知って感じて帰国した。
そうだ。どうしてもう終わりだなんて思ったんだろう。
まだ何かが始まるかもしれないのに。
帰国の日まで、イタリアでまだまだ知ることだってあるのに。
感じることだってあるのに。終わるために、残りの日々があるのじゃなくて、
日本に帰国してからの未来の日々のために、残りの日々があるのだから。
イタリアにいると豊かな気持ちになってとても幸せだと思うけれど、
今私がやるべきことは、イタリアにはない。年始の帰国は、正しい時期だと思う。

私はまだ何にも頑張ってない。頑張れることは日本にある。
大切なことに気づくために、やらなきゃいけないことは日本にある。
日本での踏み出す道を、イタリアが教えてくれた。


それに。何より、くろべぇに会いたい。
どうやら彼は、今年のお盆に、
隠れて仏壇のおはぎを盗み食いしたらしい・・・。母談
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by dolcissimokurobe | 2008-10-14 21:15 | La vita in Italia
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