温かい中華料理

引越しの時に全ての荷物を運びきることが出来なかったので、
まだ前の家に残っているヤコブの部屋に私の荷物を置かせてもらっていました。
その荷物を今日学校帰りに取りに行くため、一日振りに前の家へ。
たった一日しか経っていないのに、一ヶ月通った道が懐かしくて。
数日前までは「大学まで遠い遠い」って文句言ってたのに、
今日は公園を横切る長い坂道が愛しくて仕方ありません。
カタリーナと一緒に何度も通った道。
家のインターホンを鳴らすと、ヤコブが出てきて、さっそく「今度の家はどう?」と。
「うーん。いろいろあるよ。」私が新しい家の規則を話し始めると、
彼も顔をしかめて「そりゃあちょっと辛いね」って。それから、
「これからだって、静香がこの家に来たくなったときに、いつでも来ていいんだからね。」
あんなにからかったのに、なんて優しいの。ありがとう、ヤコブ。

「おなか空いてない?何か作るから食べていきなよ。」
台所に入ると、彼はいつものように手際よくフライパンを振って、
オリジナル中華料理を作り始めました。
「僕のパソコンでもいじっててよ。今ネット繋がってるから」と言ってくれたんだけど
手持ち無沙汰だし、私も手伝うことに。
キッチンに一緒に立って、いつものように学校の話や、中国や日本の話をしながら
私は下準備のお手伝い。
いつもは一品しか作らないのに、冷蔵庫からあれこれ出して3品も作ってくれている。
白いご飯ももうすぐ炊きあがる。
昨日あれだけ泣いたのに、また涙が眼球の後ろあたりまで上ってきていました。
「トマト何個要るの?」と聞こうとして、言葉に詰まってしまった。
恋愛ドラマにありそうなこのシチュエーション。お決まりのように女性が泣く。
はい、はい、泣きましたよ。ぼろぼろと。
「寂しいから泣いてるんじゃないの。こんなに親切にしてくれて嬉しかったから。」
あらら、これまた少女漫画に出てきそうなセリフ。
キッチンペーパーを目に当ててボロボロ泣いてたら、ヤコブが肩をポンポンと叩いて
3品の料理が出来上がりました。
弟みたいに可愛いヤコブと、ほっとするアジアの味付けの料理と白米。
楽しい思い出が残るこの家に帰ってきて、心からほっとしました。
外国で生活を始めて一ヶ月。こんな風にほっと出来る場所があって嬉しいな。

出発する前も、到着してからも、いろんな人から親切にしてもらったこの一ヶ月。
この留学で一番多く知ることになるのが、友人の優しさとありがたさかもしれません。
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by dolcissimokurobe | 2007-11-02 21:09 | Il cuore
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